コーヒーが冷めないうちに
家で過ごす時間が増えた。
そのなかで先日映画を見た。
タイトルは
有村架純、伊藤健太郎、波瑠をはじめとした豪華な出演陣、そしてメガホンを取るのは映画デビュー作となる塚原あゆみ。
映画は同名の小説が原作で、街の外れにあるなんの変哲もない喫茶店を舞台に繰り広げられるちょっと不思議な群像劇。
その喫茶店のある席に座ると、自分が思った過去、未来に行けるというもの。
ただし、淹れてもらったコーヒーを、冷めないうちに飲み干さなければならないという条件つき。
他にも条件がいくつかあり、その条件を守らないと現在に戻れなくなってしまうというもの。
友人に気持ちを伝えるために過去に戻りたい人、夫婦で過去に渡しそびれたものを確認するために過去にいく人、さまざまな人がその喫茶店を訪れる。
そして作中ではその喫茶店の店員さんの過去をめぐり伏線も用意されている。
この話が映画を見る人を飽きさせない良いバランスだったと思う。
喫茶店を訪れる人、みんなに大切な人がいて、大切な思いがある。
そこがとても良く掘り下げられ、
出演者さんたちの熱演もあり、涙なしでは見れない作品であった。
とにかく見所が多く飽きさせない展開であった。
この作品を見て、何気なく喫茶店を訪れる人々、
それは何気なく毎日を過ごしている私達自身に当てはまり、
その人たちみんなに大切な思いやドラマがあるのだと感じた。
この映画では
過去に戻っても、現在の結果は変えられない
という条件もあるのだが、
この条件のおかげでタイムリープものの映画の中でもアイデンティティ保てていたと思う。
誰しもが変えたい過去があり、
〜だったら、〜してれば
なんて思うことがあるだろう。
それを叶えてしまうのが時間遡行の醍醐味であるかもしれないが、それを敢えてできないことにして生み出す、
現在の結果でなく、現在の自分を変える
という観点が深いなと感じた。
過去に言いそびれたことを言うことによって、
踏ん切りがついた現在の自分が前向きになれる
といったような感じ。
それによって現在の結果は変えれずとも、未来は変えられるというもの。
その
現在の自分を変えることの大切さ
という思いが作品に良く表されており、見た人を前向きにさせてくれる映画だったと思う。
後悔は誰にでもあるものであるが、
もちろん映画みたいに過去に戻るなんてことはできない。
常に後悔のないように生きていくのは難しいことではあるが、
後悔を反省とし、未来をより明るいものにできたらと思う。
素敵な映画を見終わった後はとても気持ちが良いです。