感動の出会い

コロナの影響で自宅待機が始まり、会社に行く機会も減り、家にいる時間が増えた。

家族と過ごす時間が増えとても嬉しいことであり、

一生のうちでこのように時間を共にできる機会があるだろうかと考えると、より一層大事な時間に思える。

 

家事やら育児やらであっという間に1日が終わる。

結婚した人が誰しも言うように、

自分の時間は減りはしたが、1人では決して得られない大切な時間を過ごすことができている。

 

いかに家事や育児をこなすのが大変かを知ることができ、妻はこれを毎日1人でこなしていたのかと考えると、感謝の気持ちが溢れ出る。

 

息子も毎日元気で成長してくれて感動の毎日であるが、私のもとに生まれてきてくれたことに今でも感動である。

 

妻の妊娠が発覚したのは去年の1月だった。

検査薬で陽性だった妻の反応は今でも覚えている。

 

子供は授かりもの。

欲しくてもできない人がたくさんいる時代であり、

妻とも

子供出来なくても2人で楽しく生きていこうね

なんてよく話をしていた。

 

勝手になかなか授かれないものだと思っていただけに、妊娠がわかった時は本当に驚いた。

まさかこんなに早く私たちのもとに来てくれるなんて。

 

はじめてのエコー写真に小さな影が写っていた。

これが2人の子供なんだよ

って教えてもらったこともよく覚えている。

 

本当に嬉しかったが元気に大きくなってくれるかという不安もあった。

悪い話を聞くとそればかりに考えが行きがちで、

それでもなにもできない歯がゆさがあり、

とにかく妻の支えになれるようにと思っていた。

 

妻はつわりもひどく、ほんとに大変な思いをさせた。

私になにができたかわからないが、

とにかく出産は夫婦で乗り越えなければならない

という意味がよくわかった。

 

妻のお腹も大きくなり、モコモコ動いているのがわかるようになった。

親になるんだ、

という実感が押し寄せる。

 

順調に大きくなり、いよいよ予定日間近となれば、まだかまだかと気持ちも焦り、

これまた不安な気持ちになる。

 

予定日を5日過ぎた日にその日は訪れた。

夜中に陣痛が始まり、病院に行った。

子宮口も開いています。このままお産進めます。

という看護婦さんの言葉を聞いた時本当にいよいよなんだなと感じた。

 

長い長い、陣痛。

とにかく、少しでも痛みを紛らわすことはできないか、

何か支えになることはできないかと考えても、

それでもなにもできない自分に歯がゆい思いを感じつつ、妻の腰にテニスボールをコロコロと押し付けていた。

 

そして陣痛からおよそ21時間後、大きな産声とともに感動の出会いを果たすことができた。

あの瞬間は今でも鮮明に思い出せる。

ほんとうに感動の瞬間であった。

 

そんなこんなを乗り越えたこの家族と

共に過ごせていると思うと

とても幸せだなと感じることができる。

 

あの時の瞬間、気持ちを、常に忘れてはいけないと思う。

 

いつかこの話を息子が大きくなったときに話してあげたい。

それまで忘れないようにこうして書き残しておきます。